南が小学校4年生の時の会話。
南 この前の試合の時にね、ピッチャーは全責任を背負うくらいの気持ちでやれっていわれた。
私 ピッチャーはどんな気持ちでマウンドに立つべきかを教えてもらったのね。
南 チームが打てなくて負けてもですか?って聞いたら、それでもピッチャーがゼロにおさえれば負けはしないって、監督が。
私 そうだけど、守備のエラーなんかはしょうがないんじゃない。
南 ばーば、エラーしたら余計にピッチャーが頑張らないといけないんだよ。
私 えー、なんでなんで。エラーはピッチャーに責任ないでしょ。
南 そこで押さえたら、エラーしたやつがホッとするでしょ。エラーしたヤツのためにもピッチャーが踏ん張らないとだめだよ。
私 あー、そういうことなのね、ピッチャーは孤独なのね。
南 そうでもないよ。みんなが声をかけてくれるし、外野の方が孤独だよ。
私 あなた、強く成長しているのね、えらいわ。野球をやっててよかったわね。
南 でもね、強いものは孤独だって、なんかのマンガで言ってた。それって孤独に耐えれないと強くはなれないってことなのかな。
私 強いものは群れる必要がないから孤独なのよ。そして強いものは余計な自己表現をしないものよ。
南 おれはだれかからパワーをもらったなんて言わないけど、孤独はイヤだな。
私 ゴジラは強いけど、追い詰められたらパワーをもらうでしょ。もらうもらわないより、お互いでもたれあわないってことではないですかね。
南 えー、どういうこと。
私 すぐに人を頼りにしないってこと。自分で頑張れるところまで自分で責任もってやるってことよ。ピッチャーも同じよ。やれるところまででいいのよ。
南 やれるところまでっていうのがよくわからないんだよね。
私 いいのよまだわからなくて。一生懸命やっていればそのうちわかるから。
南 手を抜くなってこと?
私 そうよ。でも、それもまだ加減がわからなくっていいの。チームメイトを大事に思うことができれば今はいいのよ。
南 できることはしようと思ってるけど、しなきゃならないことを忘れるのがあなたの欠点ですっておかーさんから言われたよ。
私 それって、結局何もしてないってことじゃない?
南 はい、その通りです。でもおれはチームの友達は大事にするし仲もいいよ。学校でも強いほうだと思うよ。
私 それはケンカのことでしょ。その強いも使い方を間違ってはいけないのよ。腕力ではなくてばーばが言っているのは気持ちの強さなの。
南 気持ちが強くないとケンカは強くなれないんだよ。でも泣くほど痛い目にあったら泣くよ。
私 えー、なんで泣くの?。強いんでしょ。
南 だって泣くほど痛いんだよ。そりゃ泣くでしょ。