本日は忙しくておやつ作りに費やす時間がなく、
いや、正直に言うと手を抜いて、
いやいや、正しくはさぼって、
いやいやいや、本当は作るのが面倒くさくなり、
スーパーでサーターアンダギーを購入し、南のおやつとして提供する。
「おいしーねー」とニコニコしながら食べている南に、衝撃の事実を告白すると、
「いーよいーよ、ばーばもたまには休みなよ。オレはこれでだいじょーぶ」
といつものように、優しく声をかけてくれる。
ごめんね、南。
あしたはちゃんと作ります。
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南が5年生のときのお話ノートから。
南は5年生になり、体格もずいぶんよくなってきた。
甘えん坊なところはまだまだ健在で、ソファでテレビを見ていると、私の隣に来てピッ
タリとくっつき、肩を寄せていてくれる。
南がテレビを見るときは、何気なくソファに行き、私は蝶をよせる花になる。
南は、学校から帰るとシャワーを浴びて、おやつをまず食べる。
学校での一日を、おやつを食べながら話す南を見るのは私の楽しみ。
今日も一日無事で帰ってきたんだなと安心する時間だ。
そんな幸せな時間の中にいても、南が大きくなるにつれて、いつまでこうやって私の相手をしてくれるのだろうとふと思う。
南 あのね、学校に行く途中に大きな犬がいるんだけど、いっつもオレたちに吠えるんだよ。
私 外にいるの?
南 いや、庭に放し飼いにしてあって玄関の柵越しに吠える。大きいから吠えるとうるさいんだよね。
私 ご近所に迷惑かけるからね。
南 おばあちゃんに「コラー、吠えないの!!」って家の中から怒られてる。
私 いつも吠えてるんじゃ、おばあちゃんも大変ね。
南 おばあちゃんの声も結構うるさいんだよね。怒る前に犬の躾を飼い主がきちんとしないとダメじゃんって、みんなで話してる。
私 そうね。責任のありかを考えるようになったのね。よく気がついたわね。
南 そうそう、そうなんだよ。だからね、オレが朝から早くしなさいって怒られるのはおかーさんの責任なんだから、怒らなくていいと思わない?
私 それは絶対に、圧倒的に、無条件に、茶わん蒸しが茶わん虫になったとしてもちがいますから。
南 なんでー。
私 幼稚園の時から数えて8年間も「はやくしなさい、何時だと思ってるの」って同じことを言われているのであるからして、それはあなたの責任です。間違いなく。
南 えーーーーーーーー。
私 責任を覚える前に、あなたは責任転嫁を覚えたようね。