i-class collection

ばーばと南 + Run&Music

歯医者にて2~突き進むおばちゃん、初もうでの教え。

このブログでご一緒したおばちゃんとまた隣り合わせになりました。

 

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歯科衛生士の女性も前回と同じ人のようです。

さっそくおしゃべりが始まります。

私も聞き耳を立てます。

先生も隣の声を聞きながら、マスク越しにニコニコして私の治療に専念しています。

 

 

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いいお正月だった?、初もうで行ったの?、そうなのよかったわねー、彼氏と行ったんでしょ。あら、彼氏いないの。あなたかわいいのにねー、かわいそうに。草食男子が多いからね、私が男だったらあなたなんかほっとかないわよ。肉まんみたいにパッと食べちゃうわよ…。

 

 

   中 略。

 

 

彼氏ができますようにって一生懸命祈ってきたでしょ。ほらね、図星だわ。だいたいわざわざお参りに行っても、みんなそのくらいなものよね。

 

でもね、それは残念ながら愚かな行為なのよ。そうよ、祈るって愚かな行為なの。あなたみたいに、私はこんなに願っていますー、だから、なんとしても願いをかなえてくれませんか、という祈りではだめなのよ。

 

本当のお祈りはね、成果を気にせずに、祈らずにおれないから祈るというのが本来の祈りなの。だから、彼氏ができる出来ないなんて、どうでもいいことを祈るべきではないのよ。

 

(そうなんだ。祈らずにおれないから祈るって感覚、おばちゃんすごい)

 

 

そもそも、いくら入れたの、お賽銭。へ、5円?。あー、御縁があるようになのね。でも5円で神様を動かそうというあなたの魂胆があさましいわね。あのね、お賽銭は神さまにあげるのではなくて神社を守るのに使ってくださいって捧げるものなのよ。神様はお金なんか必要ないでしょ。ちょっと考えればわかるじゃない。

だからね、今年も歯医者さんで患者さんのためにがんばって一生懸命に働きますから、見守っていてください程度でいいのよ。そうしたらそのうちに彼氏もできるわよ。患者さんでいい人が迷い込んでくるかもしれないじゃない。

 

 

(迷い込んでっていう言い方はどうかと思いますが、お賽銭の件は私もそう思います。院長先生もうなずいていました)

 

 

 

そこへ、熊先生(本当の名前がわからない)の登場です。

 

あー先生、おめでとうございます。今年もお世話になります。先生もお参り行きましたか。はい、私も行きました。元旦は人が多いので31日のお昼に行きました。

今年はインプラントを入れるから料金がお高くつくでしょ、だから「宝くじの当選」と「トヨタの株があがりますように」ってたった2つだけお願いをしてきたんですよ。

もうね、健康や安全運転は自力で何とかしますからって。バーター取引っていうやつですかね。

 

 

それを受けて熊先生は、

あー、31日は年末詣でといって1年間の感謝をして、御祈願は年始にするものなんですよ。タイミングが違いましたねー。そして、神様とバーターしてはいけませんと、わざわざ訂正をします。

 

 

ちなみに新型コロナ以来、蜜を避けて私も「年末詣で派」です。

 

先に治療が終わったおばちゃんは、衛生士に、今からお参りのやり直しに行ってくるわねと言って帰っていきました。

 

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人には厳しく哲学的なおばちゃんは、自分のこととなるとどこまでも現実的でした。

 

今日も憎めない会話でリラックスした治療ができました。

 

治療終わりに、おばちゃんの願いが伝わるといいですね、実は僕もトヨタの株を持っているものですから、と院長先生が告白。

 

あら、そうなのですか。

みんな、なかなか抜け目がありません。

 

 

年末詣でだけで、初詣に行くつもりはなかった私は、ちょっとまてよと気持ちが少しあせり、診察台の上で腰が少し浮きました。