i-class collection

ばーばと南 + Run&Music

永久歯の思い

乳歯が生え変わる年齢にはバラつきがあります。

南は遅い方でした。

友人たちが次々に生え変わる中、小学生低学年になっても前歯から奥は乳歯のまま。

 

遅さに不安がる南に、おとうさんがその理由を教えてくれました。

 

 

☆☆☆

 

 

大人の歯になるのは、お前がバカなことをしてもう歯を折ることはないだろうと永久歯が判断したときに生え変わるんだよ。

 

ブランコをねじってねじってぐるぐる回って頭から落ちたり

カーブを曲がり切らなくて角の家の玄関に自転車ごと突っ込んだり

体育館の屋根に勝手に上ってボールを取ったりしている間は

おまえの永久歯は気が気じゃないから乳歯のままになっているんだ。

 

 

今出たらヤバイぞ、オレの一生はすぐに終わると永久歯は思っているんだよ。

 

 

 

それを聞いた南は

「そういうことか。オレはとうぶん乳歯が生え変わらないと思う」

と妙に納得していました。

 

 

 

「乳歯が遅いのはいいから、角のおうちに自転車で突っ込むのだけはやめなさいね」

と過去の失敗をおかーさんからたしなめられます。

 

 

「永久歯が生える頃にはブレーキなしで速いスピードのまま、あそこの角をグインって曲がれるようになると思うよ」

と話をいいように解釈する南でした。

 

 

「ということは今もやってるってことよね。だから、そいうチャレンジはやめなさいって。そして話が逆でしょ。絆創膏の数が減らないと永久歯も生えてこないのよ」

 

 

きっと、いや絶対、お母さんの願いも永久歯の思いも南には届きません。

 

 

できない事をやれるようになるまで頑張るのは南の長所なのですが

場所とリスクをわきまえないのが短所です。

 

 

 

いいのかそれで。

よくはないですが、いいのでしょうね。