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ばーばと南 + Run&Music

小学4年生のアスリートが病気がちな理由

小学校4年生男子。

 

陸上(中距離)とトライアスロン競技を行っていて、大会での成績は優秀。

特に中距離になると実力を発揮するらしく、バイクでは5年生にも勝ったりする。

 

 

そんなスポーツが優秀な両親の悩みは、彼が最近は病気がちなことだ。

1学期のうちに感染性胃腸炎、インフルエンザ、新型コロナと3つもの感染症を次々と患ったことに両親は違和感を覚えている。

 

 

それでも先日のトライアスロンの大会では、嘔吐下痢明けにもかかわらず優勝した。

親は、病気明けの翌日なのに優勝したことにいたく満足げである。

 

私は、病気明けに出場したことにたいそう驚くと同時に、彼がかわいそうになった。

 

 

重なる病気については、なにかいけないものが憑いているのかと思うくらいです。

お祓いにこうと思うけどどうでしょうか?

と彼の両親から相談される。

 

本人のカラダに異常があるのではなど露ほども思っていない。

アスリートは病気にならないとでも思っているかのように。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

普段の生活の様子をたずねてみる。

すると、私は霊感はないけれどもそんなんだったら絶対に霊のせいではないでしょ、と憤慨する事実がたくさんでてくる。

 

 

 

毎日、家に設置してあるバイクを30分こいだ後、30分のランニング。

(本格的にバイクを家に設置して練習してることにいたく驚く)

 

週3回の陸上教室に通って、週1でプールと英会話教室

土日のどちらかで、車で並走してバイクの練習と水泳2㎞。

(車で並走するのと1週間の中で休みがないことに、いたくいたく驚く)

 

小学3年生の後半に、疲労から腰痛がでて2日間歩けなかったが、一日で歩けるようになるという整体に行ったらすぐに治ったという。

回復力がついてきたせいかもしれないと、楽観的なお母さん。

 

 

幼稚園の頃から小食でグミやガムにはじまる柔らかいお菓子全般とジュースが好き。

昼の給食以外の食事はお菓子ですませたりするそうだ。

 

「食事前にお菓子を食べるから食事が入らなくて」とお母さんがこぼすしながらも

「小さい時から言ってもきかないんですよ」とあきらめ顔。

 

父親は、そんな食生活でも大会で勝てるのが、わが子ながらすごいと思っている。

(それは私も別の意味ですごいと思う)

 

 

普段は暇があれば常にスマホでゲームをしている。

ゲームは親子でするらしい。

「こいつはスマホ中毒だから」と父親が笑う。

 

 

 

大会のご褒美はもちろんゲーム。

お小遣いもゲームやゲームの課金に使うので残らない。

両親ともにゲームが大好きなので子どもと一緒になってやると言って悪びれない。

 

 

身長も体重も成長曲線の一番下にギリギリひっかかっている。

 

靴のサイズも19cmと小さく、手足は細くてガリガリで、体脂肪率は7%台。

「体脂肪、アスリート並みですごいでしょ」と父親は自慢する。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

全部、ぜーんぶ親が悪い。

このまま行くときっと高校生の頃には内臓を壊す。

 

カラダが大きくならないことと、体調を壊しやすくなった理由は同じ。

 

 

運動と食事が年齢相応にコントロールできていないからだ。

 

 

まずは、食事管理。

小学生でご飯が食べれないようでは話にならない。

食前にお菓子を食べたりしているから入らないのだろう。

 

 

 

お菓子やジュースは大人が与えない限り子どもが自から覚えることはない。

なぜ、幼稚園の頃から必要のないものを与えてしまったのだろう。

 

このような食事形態では、年齢に応じた必要なカラダが作れないのは当たり前だ。

 

 

そこに加えて成人のアスリートみたいに日々鍛えればいいと思っているので、運動量が過多になる。

成長に必要なホルモンを昼間に使い切るので、たくさん成長ホルモンが出る睡眠時にはもうそれは残っていない。

 

 

病気明けにゆっくりとした体力回復に務めないまますぐに大会に出場したり、練習に復帰することを繰り返せば、まだ小さなカラダが持つはずがない。

病気はそのサインなのだ。

 

 

そうやって基礎体力が落ちて、自己免疫力は低下していく。

スポーツ時の体力と自己免疫力は別物なのだ。

 

 

カラダを鍛えているから自己免疫力も上がるかというと、全くそうではない。

 

 

 

 

彼の潜在能力はその活躍を聞く限り群を抜いている。

小学生の今はカラダを作るために適度な運動と適正な食事管理が必要なのに、勝つためには鍛えるべしとの考えならば先はない。

 

 

ましてや過酷なトライアスロンを病み上がりにさせるなど、子どもは親の道具ではないのでもう少ししっかりしてもらいたい。

 

 

 

両親は彼が勝つことにステイタスを求めていて、子どもが大会で勝利する快感を自分の満足感に置き換えている。

そこで、どんどん鍛えれば鍛えるほど勝利につながると思い込んでいるのだ。

 

 

彼のカラダは貯金箱のように入れれば入れるだけスキルが貯まるものではない。

 

しかし、小4の彼に休息や負けは許されないのだ。

 

 

今は、過剰な練習量と貧相な食事環境も彼のカラダのポテンシャルと若さに救われているようだけれど、親の意識が変わらなければ、この子の競技人生は長くはもたないだろう。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

ケガを押して無理してでも勝ちたい親は多い。

スポーツにけがはつきものだけれど、程度がある。

中体連だから、高校総体だから、全国大会だから。

親も監督も、だから、だからといって相当な無理をさせる。

子どもはだれよりも勝ちたいのでそれに同調する。

 

 

中学生のピッチャーで肘のケガで腕が曲がっているのに、大丈夫だから投げろという親がいることを聞いた。

ピッチャーとしては優秀なので、高校の目に留まるように今投げないと言って周囲が止めてもきかないらしい。

 

 

明日なき戦いを挑ませる大人の無責任さは、選手のさらなるケガを誘発し選手生命が短くなる例は枚挙にいとまがない。

 

 

運悪く親子で勝利の味を覚えたがために、周囲より少し抜きんでたがために、せっかくの才能が早期にしてつぶれてしまうのだ。

 

 

 

オリンピックや最近のスポーツを見ていると、野球でもサッカーでも陸上でもなんでも、上質なスキルに加えて強いカラダの選手が活躍している。

 

あくなき練習では強いアスリートは作れない。

 

 

小さいうちに強いカラダを作ってその上に才能を開花させることを親も勉強するべきだ。

それは激しい練習だけで培われるものではない。

 

我慢と落ち着きと食事と休養が才能を開花させる一要因である。

しかし、そこをおざなりにする育成は、結果子どもの将来を削ることになる。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

医学的、科学的根拠をはしょってだいたいのお話はしたけれど、

話し終わるや否や「お賽銭は多い方がいいでしょうか」とたずねられたことから察するに、私の話はきっと、いや絶対に通じてないことがわかる。

 

そんなことだろうと思いながら話したので、特段がっかりもしない。

 

 

この両親はお祓いに行くことで安心し、また猛練習を繰り返し、再度カラダを壊せば神さまを恨むか、お賽銭を増やして再度お祈りに行くのだろう。

 

 

才能あふれる彼のような子は、10年後の日本の長距離界を担っていく可能性を秘めている。

周囲がどんなに頑張っても届かない、生まれつき素晴らしい能力を備えた子どもはどのスポーツにもいる。

その選手たちのカラダができる前に、特に小中学生時代に過密で過度な練習は必要ない。

 

 

できれば適度にほおっておいたほうが良いと思います。

 

 

勉強もスポーツも親が邪魔しなければ、子は育つのだけれどね。

親はそれを邪魔していると思っていないところが、愛情のかけかたの難しさなのかなんなのか。

そういえば、

「だって、愛情のかけ方なんてだれも教えてくれなかったし、学校で勉強してもこなかったからわからないわ」

と言った人がいました。