「人生で起こるすべての事は、全部意味があると先生がよく言うけど、ぜんぜん理解できないしとてもそうは思えない」
と南が憮然として言います。
経験の浅い中学1年生にそれを理解しろと言うのはまだ無理かもね。
過去に意味をもたせるように今を生きなさいと言うことよ。
たとえば、以前指をケガをして野球が出来なかったでしょ。
その間に走り込んで下半身を鍛えたから手が治った時は
前よりコントロールもよくなって球速もあがったことがあったじゃない。
指をケガしなければ、そこまで走り込みは出来なかったと思うわ。
だから、不幸な出来事があってもそれに負けずに
今できる努力をしていけばあの時の嫌な思い出が、
あれがあったから今があるのだと意味づけて思えるようになるってこと。
デキる男はイヤな過去を変えていくものよ。
なんでもかんでもプラスに変えていくの。
いつまでもあーういことがなければとか、あの時がこーだったらとか
グチグチ言ってないで次に行くの。
あなたも小さい時に転んだらすぐ立ち上がりなさいっていわれたでしょ。
それを努力と言うのだけど
そこがまたくせもので
努力努力と言って努力におぼれていると結果を出せないままで終わるの。
結果が出ないと努力したんだけどとか、
こんなに頑張って努力してますとか言って努力に甘えるのね。
デキる男は努力するのは当たり前で
結果が全てととらえているから努力を持ち出さないわ。
特にプロは努力を努力と思わないからね。
などと中学生に適切なのかどうかわからないアドバイスを送ると、よくわかったよと優しい南は笑顔で受け取ってくれました。
☆ ☆ ☆
「ほんとうかな」と訊ねると、南はそれには答えず
「じゃあ、デキる男とモテる男の違いは何?」と訊いてくる。
モテる男はデキなくてもモテるけど、
デキる男がじゃあモテるかといったらそうでもなかったりするから
人生はおもしろいのよ。
デキる男はお金で女性を動かす人もいて、そのタイプはモテていると勘違いするの。
全然モテてないのだけどね。
反対にデキない男はお金がないから、オスとしての魅力だけで女性にアピールするしかなくて、本当にモテているかどうかを判断しやすいのよ。
まだあなたにはわかんないだろうけどね。
「オレはモテようとは思わないかな」と南。
「どうしてよ。モテた方がよくない?」
「モテる分トラブルが増えるじゃん」
「その意見は大人だけど、面白くないわね。1回モテて調子に乗って失敗してみると、それが糧となって男の厚みが増すかもしれないわよ」
「たくさんモテても、自分が好きな人にモテなかったら意味ないじゃん。それに失敗は嫌だな。恨みを買いそうで」
「ひとつ言えることはモテようとしてそのために努力しないことね。女性は本能でそこに気づくのよ」
「デキるデキないにかかわらず、努力を努力と思わない人がモテるんだね」と南。
「そうそう、知らない所でモテてることもあるのよ」