認知症のおばあちゃんが、施設のリビングから見える雨上がりの空の虹を見て
「取りに行きたい」とふとつぶやきました。
車いすの横にしゃがんで一緒に虹を見ていた施設の若い男性スタッフが、さっと立ちがあがり走ってどこかへ消えました。
数分後、彼は手にビニール袋を持っておばあちゃんのもとへ戻り、ふたたび車いすの横にしゃがんでおばあちゃんにこう言いました。
「これに入れましょうか」
おばあちゃんはニコニコして
「あら、ありがとうね」とお礼を言ったあと
「さあ、どうやってとろうかしら」
と彼からもらったビニール袋をひざ掛けの上にのせて少し消えかけた虹を見上げていました。
彼は「消えてしまう前に写真を撮っておきましょう」
と言ってビニール袋と一緒に持ってきたスマホで、おばあちゃんと虹を一緒にいろいろな角度から写真に納めていました。
虹のような彼の心にふれて、日本人でよかったなーと思うひとときでした。