i-class collection

ばーばと南 + Run&Music

踊れ引きこもり

わたしは閉じ込められているように感じると言って

1年ほど家に閉じこもったきり学校へ来ない14歳。

 

 

親や先生が、何故閉じ込められているように感じるのかをたずねても、

彼女から明確な答えは返ってこない。

学校でいじめられている様子もないようだ。

 

 

「どうしたらいいですか」という家族からの深刻な問い。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

私は専門家ではないので何も教えるものはない。

手を差し伸べることもできない。

アドバイスも思いつかない。

 

閉じこもりに「答え」はないから。

 

 

数学の証明問題や因数分解のように答えが決まっているのであれば

答えにいきつくまでの過程を教えることができるが、そうではない。

私は、彼女の学校に行くと閉塞感があるので家に閉じこもる行動が理解できない。

このことが理解できるのは本人しかいない。

 

 

 

それなのにうわべで

「そうね、わかるよ。学校いやだよね。行きたくないならいかなくてもいいのよ。なんとかなるから。親御さんも心配いらないですよ」

とは言えないし、脳天気に未来が何とかなるとも思えない。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

わたしだって、今の日本は公平さを著しく欠き何か常人では手の届かない大きなものに大事なものをどんどん奪われていく閉塞感を痛く感じている。

 

だからといって家に閉じこもろうとは思わない。

だから彼女の行動にアドバイスはできない。

 

 

 

ただ、彼女は矛盾を抱えた思いをまとめてみたり、たどたどしくも口にしたり、うまく表現する手法を見出せないから苦しんでいるのは明らかだ。

主張を練りだす経験がないままに、早期に社会の得体のしれない矛盾に気づいてしまったが、その得体の知れなさが何かわからないといった不幸がそうさせたのかもしれないと、これも想像でしかない。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

彼女だけはそのトンネルに出口はないので入れないと気づいてしまった。

みんなで入れば怖くないじゃないんだよって。

ひとり入り口で立ちすくんでいるのだ。

ただただ、すくんでいるのではない。

別の解を探すためにひとりで行ける道を探しているのだ。

 

 

 

 

彼女は正直に、自分に向き合っているからこそ引きこもる。

その結果、自分を揺さぶれれるものの恐怖を知ってしまった。

彼女が引き受けるものへの恐怖に気づいてしまった。

 

彼女の袖を引くものは何?。

わかったところで私にはどうしようもない。

 

わたしを引き受ける覚悟をどうもったらいいのか戸惑う彼女に、

わたしを引き受けていることすら怪しい私が、いったい何を言えばいいのだろう。

 

 

 

蝶のさなぎは中でどろどろになって変態を遂げる。

さなぎをむやみに触り続けるとストレスで死んでしまう。

さなぎになったものは幼虫にはもどれない。

誰も手を差し伸べることはできない。

自ら蝶を目指すしかないのだ。

トレンスフォーマーのようにガシャンガシャンと形態が変わるわけではなく、

蝶になるには時間と忍耐が必要なのだ。

 

コスパ信奉者は覚えていたほうが良い。

 

 

せっかくの相談にきてもらったのに気の利いた言葉一つ返せない閉塞感。

 

ひとつ言えるとすれば、こんな曲もあるよってぐらいかな。

 

 

 

 

♪ 踊れ引きこもり  /  忘れらんねえよ

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