巷で話題の7月5日に起こるであろうと噂される災害に対して、さすがに中学校でも話題は尽きないらしいのです。
あとひと月、それまで楽しく過ごそう。
キーワードはエンジョイ。
7月4日は最後のホームルームだ。
小さいころ台風にわくわくしたような感じで、なんの危機感もなく中学生らしい態度でその話題性を楽しんでいる様子です。
そんな話を聞かせてくれた南がふと真顔で、
「7月5日は置いといても、どうして国は南海トラフが来たときとそのあとのことを真剣に議論しないんだろう。死者や被害総額はでるけど、だから首都を移転しようとか、海岸線から移住しようとかなんにもないよね。あと5年くらいで絶対にくると大学の先生が言ってるんでしょ。手をこまねていているだけじゃないかと思うよ」
とまっとうな疑問を呈します。
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こんな巨大なリスクに対策を練る機関が日本にはありません。
防波堤を高くするだの目先のことはやるけど、根本的な解決にはなっていません。
南海トラフの被害を最小限にとどめて国を守る策を練らないのであれば、
南海トラフにやられっぱなしの後、各地域では生活がどのようになるのか直接、間接的な影響を鑑みながら具体的にシミュレートした話が必要なのです。
南海トラフがきた場合の被害状況はたくさんの番組でシミュレートされており、漠然とした想像はつきます。
だが、その後私たちはどう過ごしていくのだろうか。
30万人を超える死者とともに日本の生産能力の中心を失う経済下で日常生活の困窮具合がどのように展開されるのか、だれも提示しません。
南海トラフは少子化で徐々に人口が減っていくのとは違い、瞬時に過去に例のないほどの大量の人が亡くなるのです。
インフラも同様に破壊されます。
いくつかのシナリオを提示して様々なストレスにどう向き合っていくべきなのか、そこを議論する必要があるのに手を入れようとしていません。
あまりに被害が大きすぎて、たとえシミュレートできたとしても各方面との合意形成をどうしたらいいのかわからないから思考停止に陥っているのでしょうか。
今の日本には想像力に加えてリスク回避へ向けて行う努力すら放棄しているように見えます。
まっ、そのあとは何とかなっていくでしょ。そのときに考えましょうと。
楽観主義では立ち上がれないほどの被害が予想されているのです。
どれだけの期間、どの程度のガマンを要するのか。
日常生活のレベルを5段階程度に分けてそれをどの地域がどの程度失い、だれがどうや
って元のレベルに回復させるのか、そのマップが必要です。
今、若者には大人がだれも手を打たないので、災害を個々で想像して住むところや獲得するスキルを自分なりに考えて好きに生きなさいというしかありません。
それでも太平洋岸沿いに住むというのであればそれはそれ、あとは運を天に任せるしかないのではないですが、どこにいれば安全で生き延びることができることを考える授業くらいは学校でも行ったらどうなんだろうと思います。
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国は国民が生き残るための希望につながる目安となる情報を与えて欲しいと思います。
特に若い子どもたちには。
なんの策も見いだせずに失ったものを日本に取り戻すのは、足の引っ張り合いが自己利益を妨げる要因となることを知っているこの子たちです。
今の子どもたちは競争に貪欲ではないといわれます。
それは悪いことなのでしょうか。
小学生から高校生までいろんな子どもたちの話を聞きますが、彼ら彼女らは誰より優れるとか劣っているとか、誰かを蹴落としてとかいうことには興味がないようです。
それよりも個々でそれぞれの能力をつけてそれを活かして生きていきたいと考えています。
自分のやりたいことがはっきりしているのです。
だれだれがそうするからなどいった発想ではありません。
考えていることはてんでバラバラです。
自分がどうすればその能力を知性を伸ばし発揮できるのかそれだけを考えます。
だから、相対評価には興味がなく自分にしか興味がないかというとそうではありません。
隣の子は、だれそれはこんな能力があってすごいんだよと無邪気に正しくホメます。
だから発想が伸び伸びしていて聞いていて気持ちがいいものです。
私の心が快適に感じるのできっとその姿勢は知的で合理的で自由で正しいのでしょう。
そのスキルの集合は、何もないところから立ち上がり希望の持てる生活を作るにあたっては、最善の集団となり得るのではないでしょうか。
彼らが彼女らが道徳的とか、人間が出来ているとかそういう話でもなんでもありません。
そうしないと生き延びることができないことを本能で知っているのです。
だれも経験したことのない災害が生活を一変させるのです。
こんな状況下で、コメ騒動を見ても消費税をみてもわかるように、民のことをなんにも考えようとしないトンチンカンな政治家では復興はムリです。
それどころか、きっと自分たちだけは生き残ろうとします。国民に鳥の餌になるコメを食べさせて平気な人たちですから。
私はそんな大人は早々に見限って子どもたちにベットします。