南が小学3年生のときのメモから。
小学3年生になっても南は毎朝毎朝毎朝毎朝、おかーさんから、
準備はできたの
はやく食べなさい
時間を見てね
歯磨きはしたの
髪を整えてね
帽子は持ったの
と、小学校に入学して以来同じことを3年間言われ続けてています。
南は、襟をとられて絞められているのにタップしない柔道選手みたいです。
おかーさんは、なんだこいつはやくタップしろよと嘆きながら絞めています。
そういう私も人には言えた柄ではなく、3年間といわず「痩せなきゃ」と毎日呻いています。
ある朝、おかーさんから注意されている南に
「あなたわかってるの?」と聞いてみました。
そうすると、「わかってるよ、簡単なことだから」
と悪気のない顔で答えます。
じゃあ、「毎朝のことをなんで言われる前にやらないの」と再度たずねると、
「自分からはあれしてこれしてって、思いつかないんだよ。言われて初めてあーそうだったかって思い出すんだよ。」
そんな力は備わっていないんだから、しょうがないじゃんって顔をしています。
幼鳥には羽ばたけば飛べることがDNAに刻んであるので、成長するにつけ飛べるようになるのですが、南には学校前にするべきことはDNA上にもなく、刷り込まれることもないようです。
いつかの成長を期待して見守るしか術はないのでしょうか。
いつの日にか黙っててもテキパキと準備をして学校に行くようになるのでしょうか。
それとも、忘れ物をし続けて先生に怒られ続けたあげくに覚醒するのでしょうか。
先輩のおかーさんがたに相談すると
「うちなんか中2になっても言っているわよ」
「男の子なんてずっといわれっぱなしよ」
など絶望的なコメントしか返ってきません。
あーして、こーして、こうやったらできるようになったわよなんて正解をもっているかたにお会いしたことはありません。
ということは、一般論からして
現状を見ている限りどうみても明るい未来は南の前には横たわっていません。
「そうなんだ。そういう構造なのね、3年生って。理解したから実行に移せるわけではないのね。わかったわ。ばーばもそうよ。理解してもできないことだらけなのよ。でもおかあさんもそれを理解したからって、朝の小言が減るわけでもないと思うわよ」
「理解してもできないところは、ばーば、おかーさん、オレってつながっているおでんみたいなものだからね」
「それは遺伝っていいたかったんじゃないのかな。君は。どうなのかな」
男子の言葉も朝の行動もあせらず気長に見守るしかないようです。