「うちの子はフライが取れなくて…」
「うちの子は背泳ぎが下手で…」
「うちの子はバスケのドリブルがまだまだで…」
「うちの子は試合になかなか出られなくて…」
スポーツの世界にいる小学校の子を持つ親御さんがたには、悲壮感が漂っています。
子どもがうまく出来なくてイライラするのはわからないでもありません。
でも、まーだまだ、小学生ですよ。
各々にはスイッチがあります。
それが入っていないだけで、そのうちアレコレできるようになりますって。
それとも小さいころから周囲から抜きんでてないと不満なのですか。
運動神経だって発達するのに早い子、遅い子がいるのです。
それに加えて体格面も同様に。
大きくなりにつけ、体力もついていろんな技術を自然と獲得していくものです。
南が小学校6年生のときです。
突然
「走るときのバネの使いかたがわかったから見てくれる」といって学校から帰ってきました。
公園で30mほどを走らせてみると、まさにこれまでの肩が揺れた走りとは段違いで、体幹を維持したまま跳ねるように走ります。
「どうやってできるようになったの」
「ん?、自然と。急にだよ」
「YouTubeか何かで走りの研究をしたの?」
「ぜんぜん。昼休みに走ってたらこれが速いじゃんって」
大人は、できないことばかりにフォーカスして周囲を暗くしがちです。
うちの母親がそうでした。
私はほめられたことがありません。
そう、いまだに根にもっています。
だからといって何をするわけではないですが。
子どもたちが輝いているシーンはたくさんあります。
毎日元気で学校に行って元気に帰ってくること(これがいちばん大事)
友だちが頑張っている時に一生懸命に応援したこと
困っている友達に寄り添ったこと
できないことにひたすらチャレンジしている姿
宿題をする時間も惜しんでランドセルを放り投げて公園で遊ぶ子どもたち
転んだ1年生をおぶって保健室に連れていく上級生
息を呑むような繊細な机と椅子の絵を描いて周囲を驚かせる子
隣の子が落とした消しゴムをそっと拾って黙って机に戻す女の子
落ちているゴミを拾いながら廊下を走り怒られる子
横断歩道で立ち往生しているおばーちゃんの手をひいて家まで付き添った子供たち
公園を掃くおばーちゃんたちをみて、野球をやめて手伝う子どもたち
横断歩道を渡り終えて待ってくれていた車に頭を下げる子ども
問題が解けない子どもの机に集まって一生懸命に教えている姿
この事実はスゲーことなんです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
南がクラスには「こういう男子がいるよ」と教えてくれます。
クラスのみんなの「すごい」ところを見つけるだけじゃなくて、
先生のいいところもみつけたり、
友だちが飼っている犬や虫のすごいところに感心して、
日ごろから決してだれの悪口もいわないのだそうです。
クラスマッチの誰かの失敗が終わった後で話題に上ると
「でもね、あいつはこういうところが凄いからいいんだよ」とその子が慰めるそうです。
それを聞いているみんなは「そうかー、そうだね」と共感し会話が落ち着くそうです。
言う方も聞いて納得する方もすごい。
そんなクラスをみんな大好きだそうです。
そりゃそうでしょう。
それぞれの居場所を確保する術に長けています。
それはそれぞれをきちんと認識している証拠です。
人は他人に認められて自己を確保しています。
貶めない、無視せずにやさしく居場所をみとめてあげる行為は
子どもたちの強さだと思います。
南たちのクラスの勢いは休み時間やクラスマッチのときだけでなく、
授業中にみんなの発言する声が他のクラスに聞こえるほどだそうです。
強いんだから元気がいいはずです。
クラスの団結力を目の当たりにする先生は
中学になったらほとんどの子がマンモス校にいくことになり、
そうなるとこのようにうまくはいかないので、その時にどう対応していくのかと
少しだけ心配しています。
「その時になって考えればいいじゃん」とみんな言うそうです。
「先生も心配性なのね」と南に言うと
「心配してくれてるからいいじゃん」と返されました。
「あっ、そうだったわね」とあわてて発言を修正をしました。
私も1週間ほどクラスの中に入れてもらわなければいけないようです。
スポーツもできた方がいいけど、幼い時代に一喜一憂ばかりしていないで
勉強とスポーツ以外にも目を向けてあげたいと思います。