i-class collection

ばーばと南 + Run&Music

目標をクリアするには ~ 小目標をたてて小さな成功体験を積む

目標はクリアできるかできないかの位置に設定すると、がぜんやる気になります。

 

 

最初から遠いと思われる目標を置きたい場合は、途中に小目標をつくって、成功体験を得ながら次の小目標を目指す方が挫折しにくいものです。

 

例えば、はじめてマラソンに挑もうと決心したとして、42.195㎞をいきなり目指しても途中で心は萎えてしまいがちです。

 

人そぞれの能力の差はあるけれども、まずは5㎞。そして10㎞、15km、20㎞……と小刻みに走ることができるようにしていくと継続性が保てます。

 

 

1巻500ページくらいある上下巻セットの本を読もうとするときも、一気に読み進めようと構えると途中で見事にいとも簡単に挫折するのは私だけでしょうか。

いや、そんなことはありません。みなさんも経験があるはずです。

 

 

逆に1日10ページとか20ページずつでもいいので、わからない言葉を調べつつ、2ヶ月くらいで読んでしまおうと軽い気持ちであたると、結構簡単に読破できるものです。

なにより自信につながります。

また、その程度であれば、他に読みたい本が気になった時も並行して読み進められます。1日100ページ本を読むとして、1冊20ページだと1日に5冊の読み進めることができます。

あきっぽい私は読書にも気分転換が必要なので、この方法があっています。

 

 

なんでもコツコツ地道にやってると途中からグンと加速がつきます。

本を読むスピードも、走る距離もどこかで勢いがつきます。

これを経験してみてください。

なかなかの快感ですから。

思ったよりも早くできるじゃんと、その瞬間だけは自分を見直したりもします。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

そのときに大事なのは小目標をチェックする際にズルをしないこと。

現実から逃げないで、クリアした気分にならないことがキーのように思います。

 

 

たとえば英語の単語帳を1冊覚える時に、私は一つずつ覚えるのでなく、単語帳をセクションごとに何度も何度も通して読み返しました。

そうすることで知らない単語に何度も出会い記憶に留めやすかったものです。

 

その際に、私は3つのチェックを入れていました。

①十分覚えた

②うろ覚え

③全く覚えるられる気がしない

 

読み返す際に時間のムダなおで①はもう見ません。①が増えていくと、当然②と③の数が少なくなっていき集中度が増しページを進めるスピードも速くなって、だんだんやる気になり楽しくなってきます。

そこで加速がつきはじめます。

 

だからこのチェック時に①も②も③もジャッジを緩めてはならないのです。

緩めてしまうと知らない単語をたくさん残したままゴールしてしまいます。

それはゴールではありません。

道を間違えてしまったのです。

 

 

覚える事に集中するよりも、チェックを厳しく自制することを頑張る方に目を向けた方が結果、ゴールへ届く時間が早くなります。

 

何より神は細部に宿るといいますから。

 

話が通じないSONYカスタマーセンターのおばちゃん

地震対策として、TVをベルトで台に固定しようと南のおとーさんが市販のグッズを買ってきた。

ミリ数の違うネジがいく種類か入っている。

 

 

ネジが液晶に突き抜けないように、適正なミリ数をメーカーに確認してくださいと書いてある。

おとーさんがすぐにSONYに電話をしてみる。

 

 

なかなかつながらない。

全然つながらない。

 

 

パスタならとっくに伸びて気を失いそうになっているころに、やーーーっとつながって、用件を簡潔に話す。

南のおとーさんはいつも拡声モードで話すので、家族みんなが聞いている。

 

 

電話に出たおばちゃんは

SONYの純正のベルトを使ってください」と事務的な対応。

 

 

「はい? 純正ベルトの話はしていません。市販のネジのミリ数を聞きたくて電話しています」

「ですから、SONYの純正のベルトを使ってくださいと申しております」

「それって売っているのですか」おとーさんが譲歩して話に付き合う。

 

「いえ、箱に入ってます」

「箱?」

「TVが入っている箱です」

 

 

3年前に勝ったテレビで、箱はすでに破棄していてそんなものはない。

液晶を突き抜けないネジのミリ数を教えて欲しい、といっているのになぜ聞いてることに返事をしないのだろう。

 

 

これはややこしくなるぞと誰もが思って、おかーさんも、南も電話口でかたずをのむ。

 

 

おとーさんの気が立ってきた。

「あのね、聞いたことに答えてくれますか? 純正のベルトがないから市販の物を買ってきたので、そのネジのミリ数を計って教えてくれればいいだけなのに、なぜ純正を使えとしか言わないの? あなたやる気あるの?」

 

おとーさん、スイッチオン。

 

 

 

「これは個人的な意見ではないのです」

「言ってることがよくわからない。会社を代表して話しているのならば、余計にその対応はまずいよ」

そこを指摘すると「私ではわからない」という。

 

 

「この人ばかなAIみたいだね」

南が小さな声で言うので、おかーさんが人差し指を立てて自分の口元にもっていく。

 

 

最悪なのはこちらがしゃべっている途中に、おばちゃんは自分の意見を上からかぶせて「だから、純正ベルトじゃないと保証しかねる」と何度も否定してくる。

 

 

「誰も保証してくれと頼んでいるわけではない。あなたには話が通じないようだから、話ができる人と変わってくれる」とおとーさんが電話を替わるように促す。

 

 

「調べるのが面倒くさいだけなんだと思うよ」とまたも南が口をはさむ。

 

私が南に向けて、笑顔でOKサインを出す。

 

 

 

おとーさんのイライラ度は50をさした。

イライラ度のMAXは10なのでイライラ度計は壊れてしまった゜句読点も壊れた。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

またしてもずーーっと待ち続ける。

上司という男性が電話に出る。

 

 

「10分以上まつこと3度。そして聞いたことに全く答えず、やる気がないのか、バカなのかどっちかわからない対応にびっくりしています」

「お待たせしたのは電話の内容を引継いでいたものですから」

「だったらそれなりの状況説明が必要でしょ。あなたを10分間も待ったし、この電話をかけてからすでに30分近く要しているのですよ。たったネジのサイズを確かめるために」

 

ここからさらに10分会話が続きやっとのことでネジのサイズが判明する。

大人の会話ではないし、大人の仕事ではない。

園児レベルの会話をSONYと繰り広げた午後でした。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

自民党みたく聞いたことに答えることができない大人は多い。

政府もSONY4も、岸田総理と社長をはじめ「聞かれたことに答えよう」キャンペーンを張ったほうがいい。

 

そうすれば、国会もスムーズに進む。

 

 

「聞かれたことに答えない人は、聞かれたら困ることを隠しているからか、知らないことを知られたくないプライドか、単に質問がデタラメで答えるのがめんどうくさいからか、答える側がバカなのかのどれかだね」

と南が言いました。

 

 

必要なのは、知的な会話を交わすスキルではない。

小学生でもできるまじめな態度だ。

 

 

 

 

 

RUN & MUSIC ~ '90s R&B Femaile Artist Ballad Collection  Last Chance / Allure ('97) , Before You Walk Out Of My Life / Monica ('95)

雨を吸い尽くした雑木林の間をかけ抜けるように走る。

はずだったが、体調が重く今日はウォーキング。

誰が植えたか、遊歩道のわきの花壇にたくさんのクリスマスローズをみつけた。

管理している人のセンスと余裕を感じる。

このような発見があると、無理をしてでてきた甲斐があったと思う。

かわいいラッパスイセンジャイアンツカラーのコデマリ、ラベンダー。

咲き始めたそれぞれの庭先の花を楽しみながら歩くのもいい。

5Km、1時間の不要な外出が心を豊かにしてくれる。

カラダも少し軽くなって帰宅する。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

<Walking Play List ~ '90s R&B Femaile Artist Ballad Collection

 

  1. Last Chance / Allure ('97)

  2. Before You Walk Out Of My Life / Moica('95)
  3. How Does It Make You Feel / Victoria Monet
  4. Together Again / Janet Jackson
  5. killing Me Softly with His Song / Fugees
  6. Ex-Factor / Lauryn Hill
  7. Run To You / Whitney Houston
  8. Breathe Again / Toni Braxton
  9. Everything / Mary J.Blige
  10. So Into You / Tamia

 

珠玉のR&Bバラードを2曲ご紹介。

 

 

☆ ☆ ☆

 

  Last Chance / Allure ('97)

アルーアと読むのが正しいのでしょうか。この曲を知ったのはつい先日。CDの整理をしているときに出くわしました。それからずっとお気に入りです。Mariah Careyっぽいなと思って聴いていると、彼女が作詞作曲とプロデュースまで行っています。そんな才能があったなんて知りませんでした。そういえば仕事で行ったアメリカで知り合ったおじさんはMariah Careyのことを全く評価していなかったっけ。きれいなバラードです。

 

www.youtube.com

 

 

☆ ☆ ☆

 

  Before You Walk Out Of My Life / Moica('95)

この3年後にデビューする宇多田ヒカルは15歳。それより1年早い、14才の時のセカンドシングルです。宇多田ヒカルの椅子に座ってグルーブするMVは、Monicaをヒントにしたのでしょうか。Monicaのデビュー曲「Don’t Take It Personal」ともどもR&BチャートでNO.1を獲得しました。Toni BraxtonAngie StoneSWVらをはじめ数多くのアーチストに曲を提供し、自らもシンガーであるている Andrea Monica Martinの作曲。少しドラムが強めですが春先のウォーキングにも、ウイスキーのロックにも合うオールラウンダーなバラードです。それにしてもこのグルーブ感は天性のものなんでしょうね。教えてどうこうなるものではないと思います。

 

www.youtube.com

 

メダカ の産卵 ~ 黄色の季節がはじまりました。

うちには数百匹のメダカがいます。

南が川から採ってきたメダカと、メダカすくいから救って(南はこのようにいいます)きたメダカが、4年間でドンドン増えてここまでになりました。

 

メダカを川に放すことは法律で禁じられているために、うちの庭は水槽だらけです。

15個ほどの睡蓮鉢や水槽が庭を囲っています。

昨年は欲しい人に相当数分けたのですが、いっこうに減る気配がありません。

 

湖で採ってきたミナミヌマエビや幾種類かの貝も同居しています。

ミナミヌマエビも貝も、ほおっておくとどんどん増えます。

銀行預金も見習ってもらいたいものです。

 

 

春になると、メダカはどんどん卵を産みはじめます。

 

 

今年も南が手作りの産卵床を作って水槽に入れはじめました。

まだ増やすようです。

 

 

去年から100均のグッズでつくったこの産卵床はメダカに大好評です。

かわいい直径2ミリほどの黄色い卵をたくさんつけてくれます。

 

びっしりと卵がついたところで、南はせっせと卵を産卵床ごと、別の水槽に移して卵をふ化させていきます。

 

 

針子の間は、親と別々にしておかないと食べられてしまうのです。

産卵床を作っている南に

「もう増えすぎたから食べられてもいいじゃん」とおかーさんが言うと

「だめだよかわいそうだよ」といってききません。

 

 

「針子の水槽どうするのよ」

「今年はみんなにあげるから大丈夫だよ」

「去年もそんなこといって結局水槽が増えたでしょ」

「これ以上水槽は増やさないようにするから」

 

水槽の増加を阻止しようとするおかーさんの意見は、南のエビデンスのない返事に却下されました。

 

水槽は絶対に増えます。確実に。

だれかの体重と同様に。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

昼間の気温が20度を超すと、卵は2週間ほどするとふ化します。

針子とはよく言ったものです。

 

 

私と南のおかーさんもそのかわいさにしばし見とれます。

 

メダカの赤ちゃん 写真素材

 

 

エサの準備はもちろん南が担当しています。

金魚の餌をドライバーのお尻で細かく細かくなるまですりつぶすのが仕事です。

 

 

 

冬の間はエサもやらず水も変えず何もせずにいたものですから、先週の土日から冬の間に汚れた水槽の掃除をおとーさんと南で行っています。

 

お世話をしすぎないのがコツだと2人は口を揃えます。

冬の間に死んだメダカは数匹だそうです。

 

感心することしきり。

 

 

 

南は野球の練習後に家にも上がらずに「とれないなー」といいながら水槽に着いた苔を丁寧に磨いていきます。

 

腰と右手がつかれる作業です。

 

疲れを紛わせるBGMは、折りたたみいすの上に置いてある携帯から流れるブルーノマーズです。

南は、いつのまにか全曲訳してみたようで、英語の勉強になったと言います。

 

 

彼の一連の発言や行動をみていると、季節とともに知らない間にどんどん成長しているんだなと感じます。

 

 

おにぎりを数個握って、お茶と一緒にお盆の上にのせ庭先のテーブルに置いておくと、数分後には「ばーば、ごちそーさま」と声がします。

メダカにエサをあげるコツは2~3分で食べきる程度だと南がいってました。

 

南がおにぎりを食べてしまうスピードはメダカとなんら変わりません。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

今年は雨が多いせいか、例年よりも産卵ががひと月ほど遅れました。

蝶の数も少ないような気がします。

 

どうしたことかと心配していたら、先週末から毎日のように黄色い卵が産卵床につき始めました。

卵をみつけると家族みんなが笑顔になります。

 

命の誕生はいいものですね。

 

 

菜の花はすでに満開。

あんなに厳しかった風も柔らかくなりました。

色も匂いも光も花も空も、春が揃いました。

 

 

気持ちもやわらぐ黄色の季節がはじまりました。

 

今の日本は泥の中に長靴で入って抜けなくなった感じなの ~ 小学3年生の話

みんなの怒りを、混乱と不安と絶望でふたをするよ。

この人インチキやってるから。

まあ、大人はみんなインチキだけどね。

 

 

先日、私の友人の家に小学校3年生になったばかりの彼女の孫が遊びに来ていたときのことです。

一緒に昼食を食べていると、TVのニュースを見ながら、厳しい顔でとつぜんそう言い出したそうです。

 

 

友人としては「ふたをする」の意味がわからないし、「混乱と不安と絶望」みたいな難しい言葉を3つもどこでどうやって覚えたのだろうと不思議に思ったそうです。

 

 

 

なによりも彼女が驚いたのは、普段は政治のことなんか何も話さない孫が、政治のことを語りだしたことです。

「どういうこと?」とたずねても

「そういうことよ」としか答えてくれないそうです。

 

 

「そういうことじゃ、わからないわ」と重ねてたずねると、

 

 

「今の日本は、この人たちのせいで泥の中に長靴で入って抜けなくなった感じなの」

と抽象的な答えを返したそうです。

 

その後は孫に何を聞いても「そのうちわかるわよ」と気になることを言ったきり、そのことには触れなくなりました。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

「ねえ、おとうさんとおかあさんもインチキなの?」

孫の帰り際におそるおそる聞いてみると

「ううん。インチキではないよ。でもわかってないかも」

「何を?」

「み・ら・い」

「未来はだれにもわからないものなのよ」

「そうなの。わかってる。でも想像して準備はしておいたほうがいいと思うの」

「何を準備するの?」と問いかけようとした矢先

「じゃあね、またくるね。ごちそうさま」

と小学3年生はちょこんと頭を下げてお礼をきちんと言ったあと、スキップをしながら元気に帰って行ったそうです。

 

 

お友だちは、言いたいことはなんとなくわかるけれども、日本や政治家についての確信めいた物言いと、言葉の使いかたに衝撃を覚えつつも、その内容があまりに抽象的すぎてどう捉えていいのか分らずに、彼女が忘れていったクマのぬいぐるみを抱き上げて、何だったんだろうねとたずねてみたそうです。

 

 

「クマは何か言ったの?」とたずねると

「言わないからここに来たんでしょ」とお友だちはおどけた後でまじめにこう続けます。

「クマは孫としか話せないらしいの」

「すごいね。クマのぬいぐるみと話せるんだ。黒ネコと話せる魔女の宅急便のキキみたい」

 

彼女は私がちゃかしたので、信用していないなと思ったのか

「クマとしゃべれるかどうかはまあ置いといて、その後ふと『大人はみんなインチキ』という孫のフレーズを思い出して、学校で何かあって心がゆがんでしまったのかしら、と思ったら、さらに心配に心配になったの。両親に伝える前に誰かに話さなきゃ、と思いながらあなたのところへ来たのよ」

と好天気に恵まれた、春先の午後の訪問理由を彼女が話してくれた。

 

 

「大人はみんなインチキって、核心をつかれたわね」と私。

「それはそうかもしれないけれど、疑わしい子に育ってしまったんじゃないかって」

と彼女は顔をしかめます。

 

「子どもはすぐに”みんな”って言うでしょ。誰もかれもを疑っているわけではないと思うわよ」

「そうだといいけど」

彼女の孫への心配は尽きないようです。

 

 

「次に、遊びに来た時にもう一回聞いてみる」と言うので、

「しゃべりたければいいけど、嫌がるのをあまり詮索しないほうがいいんじゃない」「でも、中身を知りたいのよね。私も興味あるわ」

と同調してみる。

 

 

「低学年の子供がよく話す夢のような話ではなく、大人びた緊張感のある孫の話し方は

ハッとさせらるものがあったのよ。顔つきも全然違うし」

「信じてあげた方がいいわよ。子どもの方が私たちより感性が強いから」

グレタ・トゥーンベリみたいにならないかしら

「それはわからないけど、なったらなったで応援してあげましょう。でも、どこまでその感覚が続くかもわからないでしょ」

 

 

子どもたちは、大人と違ってとても素直でピュアなので、私たちの知らない何かを察する能力があるのだと信じたいものです。

高精度のアンテナを保持していて、大人になるにつけてそのアンテナは世間のホコリがついて感度が鈍っていくのでしょう。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

孫の家に届けるために持ってきた大きな紙袋に入ったクマのぬいぐるみを忘れて帰ったお友だちに電話すると、

「歩いて戻るにはもうだいぶ来たので明日取りに行くわ。なにかが足りないなーと思いながら歩いていたのよね」と軽い返事。

 

 

なにかがじゃないでしょう。

こんなに大きな袋を忘れるなんて。

と言いかけて気づく。

 

車じゃないんだ。

 

大きなブティックの紙袋を肩にかけて2kmほど歩いてきた彼女は、その後にまた1kmほど歩いて孫の家まで行くつもりだったのだ。

 

ちょっとしたことで車を使う私は、彼女の選択を見習うことにする。

できるかな?。と私の中の悪魔がささやく。

 

 

旅を続けて家に戻れないクマに

「困ったばーばだね」と話かけると「でしょ」と笑いかけてきた。

 

 

それはウソで、そんなことがあるはずもなく、何も言わないクマのぬいぐるみに

「私も心の中にクマがいるのよ。悪魔というクマが。だから大人はインチキっていわれるの」

とそっと告白してみた。

 

 

クマはきっと優しいのだろう。

「そうだね」とは言わずに黙っていた。

 

 

 

 

好き嫌いをなくしたら、好きなものもなくなります

友だちの好き嫌いを

食べ物の好き嫌いを

なるべく好き嫌いを

 

なくせと

 

 

大人たちは幼稚園や小学校や家庭においても、躍起になって子どもたちに指導します。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

好き嫌いをなくしたら、好きも嫌いもありません。

まっ平らな平面が現れます。

 

 

好きなものも無くなるということです。

 

 

嫌いなものがあるから好きなものが輝きます。

弱い者がいるから強いものが定義できるのです。

逆もまた真なり。

 

スポーツや受験では残酷なほどそれが明確になります。

 

 

裏も表もない世界ではオセロもできません。

結婚制度は破綻します。

アイドルもやる気をなくします。

ビールは一番搾りスーパードライのどちらかに落ち着くでしょう。

 

 

豊かな食の経験値を高めることで器官の成長につなげようとするのであれば、好き嫌いを持ち出すのはお門違いです。

なんでも食べれば成長するのよ。

とにかく食べなさいというアプローチの仕方は乱暴です。

 

 

あんなに嫌いだったガサツな男子のことを、歳を重ねるにつけ徐々に好きになるといったロマンチックな恋愛もできなくなります。

 

 

 

好き嫌いは、年齢によっても環境によっても大きく変わるのですから。

 

 

 

いやいや、「好きはそのままにして嫌いなものをなくせと言ってるのだよ」

という大人には、そんなの無理でしょって言いましょう。

 

嫌いなものがない世界は「表裏一体システム」の地球上ではありえません。

ペンギンに飛べ、アリに名を名乗れ、私になんでも後回しにするな、

と言ってるようなものです。

 

 

 

そんな人は

嫌いだけどこんなに好きっていう女子の感情はわからないでしょうね。

 

でも、実際はそこをわかってくれてない男子の方が「あーわかるよ」と軽口をたたく男子よりも素敵なんです。

このように女子はわけわからないのです。

理解不能と言われる由縁です。

 

 

女子は訳が分からないので話も大きくそれました。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

ただ、好き嫌いが激しいとそこには、歪みが生じます。

大人はその歪みを嫌ってそのように教えるのでしょうが、いったん歪みを経験しないとその歪みの処理の仕方がわかりません。

 

 

歪みをほおっておいたほうがいいのか。

受け止めるべきなのか。

改善したほうがいいのか。

 

 

とにかく

真っ平らな世界では、自分のポジショニングがわからなくなり、

感情も味覚も面白味も無くなります。

 

 

加えて、人間味までもがなくなりますが

それで、えーんでっか。

 

 

と思ったものです。

 

 

「弟はお兄ちゃんとちがって、できがいいんです」といいますが

「弟の方がお兄ちゃんとちがって、できがいいんですよ」

小学生の兄弟を持つお母さんが教えてくれました。

 

できがいい?

何がだろう?

 

 

小学生にして、

「できがいい」も「できが悪い」もないんじゃないかと思います。

 

 

その前に

お兄ちゃんが生まれてこなければ、弟も生れてこなかったのにね。

 

 

お兄ちゃんもいいところがたくさんあります。

たくさんちゃんとほめてあげてください。