40分、5kmのランニングを終え、その足で振り込みの手続きをしに、銀行へ行ってきました。
今日も、Tommy LipumaのCDをガーミンに入れて走りました。
順調・快適だったのはここまで。
ごったがえしている銀行のカウンターには、窓口の行員に書類の不備を指摘されている男性のご老人が一人。
説明を一向に理解できず、数人分の時間を食っています。
若い女性行員の訓練された丁寧な説明の最中に、ご老人の携帯電話が危険を知らせるかのような大音量で鳴りひびきます。
ご老人はカバンの中身をごそごそしますが、一向にスターウォーズ組曲は鳴りやみません。
ダークサイドへと落ちていくご老人。
やっと探し当てたところで、行内は安心した空気へと。
しかしそれも束の間、「後ほどかけなおします」への期待は、秀吉亡き後の家康なみの安易さにより裏切られます。
なんと、電話にでちゃったのです。
「ひさしぶりですなー」と会話をはじめちゃいました。
ダイエット中のご飯のおかわり同様にダメな行為です。
銀行のお客様にとって、彼はダースベイダー化してしまったのです。
お友達からかかってきているようで、何やらぐっと楽しそうです。
笑い声が高らかに行内に響きます。
フロアの視線を一身に浴びるも、主役に抜擢されたことに気づかないご老人。
周囲の空気がピンと張り詰めます。
まずいことに、そのご老人はカウンターに肘をついてしまいました。
くつろぐ態度に終わる気配のない電話。
デススターと化した携帯を手に、どんどんリラックスしていくご老人。
いらだち指数は、今日の晴れ予想を軽く上回り、マックスに近づく行内。
今この瞬間に、銀行強盗が入ってきても、殺気立ったみなさんに、これ以上面倒くさくするのは許さんとの空気に圧倒され、「あっ、すいません。お取込み中でしたね」としり込みして、計画は中止になることでしょう。
窓口の女性もちょっと注意をすればいいのに、ご老人を放置してただひたすら電話が終わるのを待っています。
そして、ちょうどご老人の頭の上に下げられた、銀行のスローガンが空調の風で悲しげに揺れているのを発見してしまいました。
「迅速!!、スピード、〇〇銀行」。
私はこのおかげで「エピソード4 新たなる希望」が見いだせない中でもイライラせずに、ご老人とスローガンのコントラストをずっと眺めて、こんなことってあるんだなと感心しながらその様子を不謹慎に楽しんでいました。