最近とても感動した本があります。
「13歳からのアート思考」 末永幸歩著 ダイアモンド社出版。
その冒頭を引用します。
「かえるがいる」
岡山県にある大原美術館で、4歳の男の子がモネの「睡蓮」を指差してこんな言葉を発したことがあったそうです。
その場にいた学芸員は、この絵のなかに「かえる」がいないことは当然知っていたはずですが、「えっ、どこにいるの」と聞き返しました。
すると、その男の子はこう答えたそうです。
「いま水にもぐっている」
☆☆☆☆☆
どうです。
やられました。
もう、なんて素敵なのでしょう。
膝を打つ、とはまさにこのことです。
独特な見方です。
突き抜けてます。
ワールドクラスです。
何を食べれば、
何時に寝れば、
何を読めば、
誰と遊べば、
何に祈れば、
ばーばのおやつは何を作れば、
この発想にいくつくのでしょうか。
彼が絵を集中して鑑賞している姿が目に浮かびます。
4歳、とても素敵に育っていますね。
仮に絵がうまく描けなくても、美術は「A」採点をあげていいと思います。
加えて、無意識にこれから先の時代に必要な情報の扱いかたが身についています。
人工知能には、この先も絶対にできない芸当です。
と思いたい。
こんな素敵なことをAIに譲ってはならないのです。
そして南、12歳の男の子。
絵をいきなり見せて、期待値0で感想を聞いてみました。
どの季節だかわからないけど、とにかく「季節の変わり目」って感じだね。きっとここは、水が湧きでて出来たんじゃないかな。水がきれいだから。
このあと、ふと思い出したようにリールの手入れを始めながら、「ばーば、またバス釣りに行こうよ、ばーばは腕がいいからまた釣れるかもよ」と、うまいこと誘われます。
子供たちはみんな、そのままありのまま育つといいのだなと思います。
変に大人の価値観でいじくりまわすとロクなことにはなりません。
そして、ニュースで見る政治家の意見よりも、こんな素敵な感性を持った若者にたちの考えかたや意見を、もっともっとたくさん聞いてみたいと思います。