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ばーばと南 + Run&Music

孫のお悩み相談に悩みます。

看護師として働いている孫が、人間関係の苦しみを友人が相談してくるんだけれど、どのように返事をしていいのかがさっぱり分からない、と訴えてきた。

 

 

その友人の相談は孫にとっては唐突で、孫は瞬発力がない自分を憂いてもいた。

 

 

孫がその悩みを詳細に話そうとするのを、

「その女性の友だちの悩みは、まずおいといて」と制する。

 

 

「突然でびっくりしたようだけれど、あなたに話すとわかってくれると思ったからお友だちは悩みを打ち明けたのではないのかしら」

「そうなのかなー」

 

 

「あなたもこの質問をばーばに投げかけると何らかの反応をしてくれると思ったから話すしているのでしょ?」

「そうなの。ばーばのことは信頼しているから

きゃー、大変うれしいので色をつけて文字を拡大してみました。

 

 

孫からの信頼は、長生きの秘訣だ。

 

 

「あーら、そう言ってくれるなんて、とてもうれしいわね。だったら、彼女もあなたのことを信頼しているのよ。ただの友だちではないのよ」

「そうなんだ。でも、私は言われるまでわからなかったの。気づいてあげることができなかったの」

 

 

「それでいいのよ。どんなに近くにいても、いくら友だちでも、普段のなんでもない会話やしぐさから相手の苦しみに気づくのは、簡単にできることではありません。だから、あなたは苦しむことはないのよ」

「だからこそ、誠実に応えてあげようと思うのだけど」

 

 

「そこもあまり気負わない方がいいわね」

「え、どうしてなの」

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

あなたが彼女の苦しみを100%取り除くのは無理なのよ。

少し支えてあげることはできても。

悩みや抱えている苦しみを乗り越えるときは、最後のところを彼女自身が自分の力で越えなければ無理なの。

まして、私が解決できるなんて思うのはおこがましい話なのよ。

だから解決できるところだけを解決していけばいいの。

みたいなことを話したと思う。

 

 

「そうか、ばーばの言う通りだね。仮に100%私が解決したら、次も私を頼るものね。その前に解決できないけど。でも、彼女も成長しなきゃだからね。そうなると、私は何をしたらいいのかわからない」

 

 

 

「特に何もしなくていいんじゃないの。さあ悩みを解決するわよー、みたいにその悩みに触れていくのはやめて、相手が前向きになれる気持ちを一緒に共有するといいわよ」

「悩みに向き合わなくていいの?。それでダイジョブなの?。それに前向きな気持ちって、そんな悩みを抱えている中で言えるものなのかな」

 

 

「まずね、あなたの態度だけど、がぜん張り切ると日常ではないあなたを見て、相手は話しかけやすい雰囲気ではないことを察知して閉じこもるから、それはやめたほうがいいと思うわよ。自然ないつものスタンスで、悩みと関係ないところでのアプローチが必要なのよ。そして前向きな要素は、どんなに苦しい時にでもだれの心の中に潜んでいるものなのよ、だからそれに気づかせてあげるの。その方法は3つあるわよ」

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

「えー、そうなの?。それって暗闇の中の可能性なのかな。蜘蛛の糸みたいな」

「そうそう、そのたとえはいいわね。ひとつは、将来の夢を一緒に語るの」

 

 

「こんな時に夢を語るの?、てゆーか、語れるの?」

「そうよ、語るのよ。もちろん壮大で、かないそうもない夢ではなくて、身近な夢を話すのよ。おいしいスイーツを食べに行きたいとか。スポーツ観戦やコンサートや映画に行きたいとか。そんな他愛もない夢を語るの」

「あー、そうだねー。それなら話せるわ。でもどうして夢を語るのがいいの?」

 

 

「お友だちはきっと時間があって、その時間を悩む方向に使ってしまって、思考が止まっているからよ。思考が止まった人は次は精神をやられるので、脳をいい方向に使ったほうがいいと思って」

「そうよね、救急外来にいるときは段取り優先で、次々に忙しいから悩んだりする暇がないの」

 

 

「でしょ。2つ目は、その夢を共有できる人を拾い上げるのよ」

「家族とか、友だちとか?」

「そうよ。だれでもいいわ。たくさんいるといいけど」

「そうか、できるだけ思いつく限り脳を使うのね」

 

 

「そして最後に、彼女が好きなことや自由にできることをたくさん話すの

「彼女は、長風呂が好きよ」

 

 

「そうそう、そんなことでもいいのよ」

「あとは、ペットの犬の散歩や、習字のお稽古かなー」

 

 

「最初はすぐに興味をそそる話題から初めるといいわよ。漫才と一緒でつかみが大事なのよ。そして話をたくさん聞いてあげるのよ。悩みをわかってあげようとしてはダメ。それは絶対に無理なことだからね」

 

「うん、わかった。私は相手を理解してあげなければならないと思ってたのね。相手にとっては自分を理解してくれる人だと思うことも大事だろうからって考えてたの。でもそれよりも聞き役に徹することが大事なのがわかったから、あした明るく接してみる」

 

 

「あまりがんばらずに、気楽にね」

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

私の今回のミッションは、友達の悩みで悩んでいる孫を明るくすることだと思った。

私が友達の悩みを解決することではないし、カウンセラーでもない私には無理。

 

 

思いつきで言った3つのことは、友達の悩みをそれで解決するとは到底思えないけれど、孫を明るくすることはできたとので良しとする。

 

本当にあれでよかったのかどうかは逡巡するけれど。

孫たちの信頼を損なわないように私ももっと勉強しよう。

 

もっと論理的な思考にならなければいけないわと心に決める。

だったら、そこは数学の領域なので、高名な岡潔先生の本を読みこむか。

それとも知の巨人、松岡正剛の何かしらの本から学ぶことがいいのか。

マツコ・デラックスがいいのか。

 

 

悩みます。