南は将来、友だちと家を作って一緒に住むのだそうです。
学校の休み時間に外に遊びにもいかず、みんなして計画を立てているそうで、その内容をとても楽しそうにニコニコしながら話してくれます。
建築士を目指してる子が書いてくれた設計図も見せてくれました。
目指しているだけあって、それは素晴らしい立面図と平面図です。
その建築士になる子が、この家の設計をしてそこに事務所を設ける。
一人はそこで小さなレストランを開く。
一人はお医者になってクリニックを開く。
一人はトレーナーになるのでそのお医者になる子と連携する。
一人は美容師になって、お店を出す。
南は野球選手になってそこに住む。
みんなの住む家もその中に作る。
みんなが集まって好き勝手にわいわいできる広間を、家のど真ん中に作るのは絶対。
みんなやりたいことを持ち寄って楽しそう。
南がトレーニングできるように、ジムも作ってくれるそうで、トレーナーの子は南のカラダの調整をしてくれるそうです。
ジムはみんなの共同経営だそうです。
誰が言い出したのでしょう、共同経営って感覚がすでに経済人です。
レストランのシェフは、南やみんなの食事を管理し、もちろん美容師の彼が住人の髪を切ります。
ドクターになる子はみんなの体調管理を請け負います。
南は私のCDコレクションをもっていって、そこでかける音楽を管理することを楽しみにしています。
私がいつも気分にあった音楽をかけているのに習ったそうで、少しうれしく思います。
家ができて最初にかける曲は
The Rolling Stones - Start Me Up
だそうです。
そして野球で有名になり、みんなの仕事を宣伝するみたいです。
楽しい計画はこれで終わりではありません。
みんなは、もっともっとすごいことを考えていました。
親から隔離された施設の子や、貧しい子どもたちは、ここでは全てを無料で使えるようにと計画しているのです。
それぞれいくら稼げばいいかは、これから勉強して検討だそうです。
みんなそのために寄付ができるよう、たくさん稼ぐのだそうです。
基金を作って先生に管理してもらうように、すでに話もつけたそうです。
弱者を支えるための基金や寄付などの概念は、社会で勉強したとのこと。
勉強やくだってるじゃん。
子どもたち、まだまだ幼く、かわいい6年生と思っていたのに素敵すぎます。
もう、話を聞いていて感動しました。
こんな純粋さ、本当にうらやましい。
ジャズのプロデューサー、トミー・リピューマのお父さんは「6歳になったころには、すでに人生にうんざりしてしまったよ」と語っていたというのに。
ここには、みんなの大きな大きなわくわくする夢があります。
壮大な物語が設計図の中に詰め込まれていて、お互いがお互いを助け合う構図もしっかりと準備してあります。
自分たちのことだけを考えているのではない、ということが、もう、なんといっていいか十分ではないですか。
6年生、これまで南やおかーさんの話を聞いていると、この子たちは机をひっくり返してケンカもします。女の子にブスっていったりして問題になったりもします。給食のおかずを運んでいる最中に転んで、廊下に全部まきちらし隣のクラスから分けてもらったりもします。帰り道で駐車場に落ちているエロ本に一喜一憂もします。校長室の掃除で大きな花瓶を割ったりもします。
けれども、みんなとても正しく成長しています。
素晴らしいと思います。
夢に向かって走ってほしいと思います。