南が5年生の時のお話。
ある日お父さんからこっぴどく怒られました。
野球の練習の約束をまもらなかったからだそうです。
シュンとしてソファに座っています。
おやつをお皿に盛ってテーブルに出してあげながら
「おいで、さあこれでも食べなさい」と促して
テーブルに座ったところで「何があったの」と尋ねると
「練習をさぼった」とボソッと答えます。
私「練習してるじゃない」
南「自分で決めた毎日の練習を適当に言い訳して1回サボって、それからだんだんとやらなくなっていったのを怒られた」
私「自分で決めたの?」
南「そう」
私「だったら、やらないって自分で決めたらいいじゃない」
南「いや、やらなきゃならない」
私「でもサボりたいんでしょ、嫌なんでしょ。嫌なことはやらなくっていいんじゃない」
南「お父さんにもそういわれたけど。嫌ではないんだよ」
私「じゃあ、なんでサボったの」
南「よくわからないけど、他のことをしていたらだんだんと、今日はいいかってなっちゃって」
私「毎日をなめてたのね」
南「いいや、なめてはないよ」
私「いいえ、毎日するって無理を言った時点で毎日をなめてるわ。毎日って一番難しいのよ。あなた毎日無事に学校から帰ってきてるけど、それって奇跡なのよ。世界中で何人もの人が朝でかけたまま家に帰ってこれないのよ」
南「奇跡じゃないよ。奇跡はそうそう起こるものではないって」
私「その中にいるから判らないだけよ。あなたは奇跡をそうそう起こしているのよ」
南「へーそうなんだ」
私「その毎日を軽く考えて軽く練習メニューを決めて、できない約束を軽くしたのよ。お父さんはその辺をわかったうえで、あなたがどうするのかを見ていたのではないかしら」
南「だったらどうするの?」
私「あなたはどうしたいの? ばーばが決めることではないでしょ。ばーばには野球の練習なんてわからないもの。でも一つ言えることは、毎日をなめてかからないこと。やるって決めたら覚悟がいるのよ」
南「毎日やるのは大変そう」
私「だったら毎日やるなんて言わなくてもいいんじゃない。週に1回でもいいから決めたことをちゃんと出きることが大事よ。練習量もできると思った範囲より少なめにしないと。欲張ってはダメよ」
南「月曜日はみんなと公園で遊ぶ日だから、まず無理な日を除いてできるとこからできそうな量を計画してみるね」
私「欲張っちゃだめよ。1週間に1回でも継続出来たらすばらしいことなんだから。週に1回しかと思わないことね。それで週に2回出来そうだったらまた追加したらいいのよ。まだ5年生でしょ。週に1回で十分よ。
南「とにかく量よりも継続が大事ってことだね」
私「大人も偉そうに言うけどほとんどの人は決めたことができないのよ。とくにばーばはね」