南の中学校で1年生の喫煙が発覚しました。
男子生徒4人。
女子生徒1人。
男子生徒の1人は学校内でも吸っていたそうです。
学校が警察に連絡すると、学校で処分をするように言いわたされました。
体育館で長時間の学年集会。
「なにやってんだよ、全く。腰が痛くなったじゃん」と南が憤ります。
学年主任がことの経緯をひと通り説明した後、最後は
「これは君たちが先生たちの信頼を裏切ったことになる。がっかりだ」
といういつもの決めゼリフだったそうです。
「いや、それはそうかもしれないけど少しちがうんじゃないか」
「警察に連絡することなのか」
とクラスに返ってみんなは口を揃えます。
クラス全体が違和感の正体がわからないまま悶々としています。
☆ ☆ ☆
喫煙は先生の信頼を裏切ったなどの感情に訴える問題ではありません。
あなたのカラダを心配してるからなどの言葉も通じません。
感情論はまず横において、内規で決められた作業手順に従って処分を進めることです。
それがなければ作らないといけません。
学校側は保護者に連絡し規則違反であることの確認をし同意を得ます。
そしてなぜ、タバコを吸ってはいけないか、今一度その理由を明確にすることです。
「未成年者喫煙法」に違反するからダメなのです。
カラダに悪いなどの話は二の次です。
「だったら、おとなはどうしてカラダに悪いものを取り入れるのか」とか、
「うちの子は親の承認の下ですから、大丈夫です」
などと非常識な反論をする親が必ずいるのです。
今回も同様に話が通じない親がいたそうです。
未成年者の喫煙は法律違反です。
その法によって本人は処分されないけれども、親が処分される恐れがあることなど。
当然、学校はそれを知って知らないふりはできないので、指導が必要なこと。
今後は内規に従って粛々と対処することなどを丁寧にきちんと伝えることです。
学校側はこのような不祥事が起きたときは、自分たちの立場を守ろうとして立ち位置を見失うことが多々あります。
だから、感情論に訴えて生徒の心の変化を期待しますがそれは無理と思ったほうがいいです。
人生で一番感情が揺れ動く思春期の衝動を抑えるのは、まずは法律や規則からと思ったほうがいいでしょう。
感情に走っているものに感情を充てても通用しません。
だから生徒を冷たく扱えと言っているのではありません。
このようにリスクを抱えた場合こそ、積極的に前に出て指導にあたらなければならないのですが、その盾として法律、規則を掲げて話を一度整理してあげなければいけません。
特に喫煙は本人よりも周囲に、特に保護者に迷惑が及ぶことを知らせるべきです。
感情を出すのはその後で相手が落ち着いてからゆっくりとでいいのです。
感情を前面に出すとロクなことはありません。
☆ ☆ ☆
この話を南はクラスメート数人に伝えたようです。
すると、心の霧が晴れたのか、今は先生たちがなんでも裏切ったというのはやめてほしいので、どうやってアプローチをかけようか、とクラスで話し合っているようです。
裏切るつもりはなくても衝動的に行動してしまうことがあるようで、そこを裏切り者のように扱われるのは傷つくことを担任の先生に訴える機会を狙っているようです。
普段はバラバラで委員会の係もなかなか決まらない子供たちのようだけれど、このように何かあったときは、男女問わず集まってすぐに一丸となるクラスのようです。
いろいろな経験をする中で、ちょっとしたことでも自分たちなりによく考えて学校生活をよりよくしようと行動している様子を聞くと頼もしく感じました。