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もやしの危機

11月7日の日経新聞に、11月11日(本日)のもやしの日に向けて全面広告が載った。

 

 

もやし生産者の窮状をご理解ください
令和4年11月7日発行の日本経済新聞朝刊に全面広告を掲載しました。

11月11日「もやしの日」を迎えるにあたり、これまで支えてくださったすべての皆様への感謝の意を表するとともに、現在のもやし生産者の窮状と、皆様にもやしをお届けし続けるために目指したい持続可能なサプライチェーンの構築について、皆様のご理解とご協力をお願いする内容です。

20221107_日本経済新聞朝刊全面広告_もやし生産者協会

 日本経済新聞全国版 令和4年11月7日 朝刊掲載広告デザイン(PDF) 

※工業組合もやし生産者協会HPより

 

 

 

記事には、「物価の優等生」として家計に貢献してきたが、安さばかりを追求していてはもう続けていけない状況です

とありドキッとする。

 

 

 

もやしの原料種子である緑豆等は、安定した品質の確保とコスト低減のためにほぼすべてを海外からの輸入に頼っている。

またしても、もやしの未来を閉ざすような衝撃の内容が載っている。

この事実を私ははじめて知った。

 

 

続いて

安全で品質の高い原料種子の確保が重要だ。しかし、現地の人々の労働環境や生活水準が保証されまたその国の自然環境にも優しい配慮がなされる持続可能なサイクルを作っていくことが大切だ、と訴えてある。

 

掲載主は「工業組合もやし生産者協会」。

 

 

 

さらにもやし生産者の窮状を読むと悲惨である。

 

30年前と比べて、

原料種子価格3倍以上、

最低賃金1.7倍

様々なコストの上昇

 

 

一方もやしの全国平均価格2割以上も下落している、とある。

 

 

 

 

もやし生産者は8割減少し、今も減り続けている。

 

202201_全国のもやし生産者数推移

 

※グラフはもやし生産協会のHPより

 

 

令和3年12月8日にもお客様各位にむけて、

工業組合もやし生産者協会の林 正 二理事長名で

「もやし生産者の窮状について」

と今回の内容と同じような文章がでている。

 

 

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まずは、能天気に安い安いと言って、もやしをかごの中に入れていた無知な自分を恥じる

 

私のような台所を預かるものとしては、もやしには大いにお世話になっている

しかしそれは低価格、高栄養のもやしがなくなると困るとぼやく、私だけの危機ではない。日本全体の問題だ。

 

もやしの安さが生産者を踏み台にしていたことはわかったが、なぜその状況が長年続いているのだろうか。

 

 

仕入れは上がるが、納入価格は下がる一方なので、当然経営は苦しくなるのは当然だ。

記事からすると価格を上げるしか解決策はないように思える。

 

 

では、なぜ価格が下がり続ける一方なのか。

もやし業界がこの事態を黙って見過ごしていたとは思えない。

そこには改善できない私たちが知らない障壁があるのだろう。

でなければ、ここまで追い詰められた状況にはならないはずだ。

下衆な私は、もやし業界と小売業界のコミュニケーションが不足しているのだろうかとまで勘ぐってしまう。

 

仮に消費者が声を上げ、もやしの価格が一時的に上がっても、価格が下がり続ける構造を修正しないと、いつかはまた同様の問題が生じるのではと危惧する。

 

 

これは結果的に、”もやし業界へのいじめ”につながっているではないのだろうか。

いじめられている人を黙って見ていてはいけない、と小学校で習うはず。

 

 

 

この原因はどこからくるものなんだろうか。

いろいろとわからないことがある。

 

 

疑問1 いくらが適正価格なのか

疑問2 どうして適正価格で取引できないのだろうか

疑問3 その結果生産者が8割も減ったなんて、どうしてこうなるまで、もやし業界は

    変わら(れ)なかったのだろう。

疑問4 種子のほとんどが海外に頼っているとなると、その未来をだれがどう考えてい

    るのだろうか。  

    

 

次にこれらの疑問についてどういった解決策が講じられていて、何がうまくいっていて(きっとうまくいってないことばかりだから、このような事態になったのだけれども)、何がうまくいってなくて、うまくいっていないのにはなにが障害になっているのか。

 

全面広告やHPを読む限り、価格の低下に問題があるのであれば、消費量が増えても事態は改善しない。

 

日本の食卓の危機であるこの状況を打開するために、

もやしの恩恵を受けてきた私たちにいったい何ができるのだろう。

 

安さだけでは生き残れないもやし業界は、現在瀕死の状態にあり、SOSを訴えている人たちがいることは事実としてある。