昨日の昼間に孫の南と2人でパスタづくりをしました。
学校で料理を作った際に、料理の手際がいいお友達がいたらしく、彼の好奇心が刺激をうけたようです。
6年生になっても料理が全くできない南は、やる気満々でレシピを調べてきました。
cookpadをみながら、「オレはカニのパスタがおいしそうなのでこれにする」
と意気込み、材料の足らないカニ缶とパセリを買いにスーパーへ走ります。
お金も自分で出すと言ってききません。
南はまだ慣れないので、ソースとパスタの出来上がりを重ねるには無理があるとして、先にソースを作り出来上がりそうなところでパスタを茹でる作戦を提案します。
子どもあつかいされて不満そうな南。
しかし、道具や調味料を揃えさせて、ニンニクのみじん切りが終わるまで20分。
孫の成長には忍耐と空腹への対応が必要です。
オリーブオイルでニンニクの匂いが香ってくると、「料理をしているって感じが出てきたね」と感想を述べる余裕がでてきました。
数分後には、そんなばーばと孫の平和な料理風景が一変します。
続きは、また明日。
うそうそ、ちゃんと書きます。
トマト缶を入れるときにその悪夢はおきました。
男の子は荒い。
数十センチ上からドンっとトマト缶の中身を投入。
360度に跳ねるトマトとオイル。
きゃーと叫ぶ私。
ごめんなさいと謝る南。
失敗から学ぶには壮絶なキッチンになりました。
「あなたはソースもパスタを茹でるのも一緒にすると言ってたけれど、ほらね」と言いながら、南がダッシュで取ってきたタオルと新聞紙を使い、手分けしてお掃除です。
素早く拭き上げていく姿はさすが運動部、手際がいい。
拭き上げてから、「ばーばごめんね、微妙なさじかげんをミスったね」と言うので、
「いーのよ、火傷してなければ。でもあれは、微妙とかではないわね。何も考えてないというのよ」
「気を付けます」といいながら、もう一つのトマト缶を投入しようとしています。
今度は鍋肌に近づけすぎてうまく中身がでてきません。
こういう手際って、ノーアウト、ランナー1塁3塁で、ピッチャーゴロが来た時に、サードランナーをけん制してからセカンドに投げたり、セカンドが間に合わないから1塁をチョイスした後、すぐにバックバックホームで3塁ランナーをけん制したりすることよりも簡単なのに、なぜできないのかが不思議でなりません。
現状と未来のリンクが野球なのに、料理になると簡単な想像に欠けるようです。
野球と料理のリンクができていません。
それでも怒らず騒がずに、「チ」で表現された中世ヨーロッパのように、せっかく芽生えた彼の好奇心を抑圧しないようにしなければなりません。
どうやって料理を通じて彼の好奇心を解き放ち、繁栄につなげるかは大人の知恵にかかっています。
その後はテキパキと楽しく順調に味付けまで進み、ソースづくりを終えました。
カニ缶の汁をソースに入れるのがミソだよって南が教えてくれました。
面を茹で終えて、パスタを盛り付ける段になって、南が「じゃーん」といって、後ろ手から花束のようにフランスパンを差し出しました。
私は目を丸くして、「わーすごーい、気が利くのね」とベタ褒めします。
ニコニコしている南は、とても素敵です。
何を聴きながら食べようかと思ってたところに、脳内に降ってわいた、サイモン&ガーファンクルの「ボクサー」をテレビのYouTubeでかけながら食べ始めます。
味付けは塩と砂糖と生クリームの量の調整だけなので、南に任せました。
楽しみかつ不安満載でしたが、これがお世辞抜きにとてもおいしいのです。
パンを切ってソースにつけながら「味付けもパーフェクトだし、パンも大満足よ」とたいそうほめます。
楽しい昼食の時間が終わり、南が食器洗いをしてくれているのを眺めながら、好奇心にあふれる南に深く、広く、有益に料理を教えるには、家族の新たな知恵の創造が必要であると思いました。
好奇心を左右するのは環境です。
彼自身がこれっきりで終わらずに、新たな経験をたくさん積んで、個性や喜びにあふれより多くの問いを発することができるよう、そして私も優しくうまく誘えるように、たくさん本を読んで根気と集中力を駆使し、ともに楽しんで成長したいと思います。