南が小学校4年生の夏、昼休みの教室で盛り上がった話をしてくれた。
「おとなって子どもの時にできていたことがだんだんできなくなったり、自分はできないことを子どもに強制したりしない?」
休み時間に誰かが何気なく話してみると、クラスの男子それぞれがそうそう、とばかりに溜まっている不満を話し出す。
・横断歩道じゃないところを渡っている。しかも渡るスピードが遅い。
・外でケンカや戦争をしてるのも大人。
・悪いことをしてはいけませんと言いながら、カゲで悪いことをする。
・うちのとーちゃんは、飲み屋のおねーちゃんにバッグを買ってあげたのがバレた。
・自分はできないくせに子供にはあーしろこーしろって怒る。
・英語を話せないくせに英語くらい話せるようになれと言う。
・ゲームは1時間とか言いながらオレと弟が寝た後で、ずっとゲームしてる。
・おかーさんが肘をついて食べる。
・新聞に載ってる不正はみんな大人じゃん。
・レジに横入りするおばちゃん。
・うちのおとーさんは、すぐにビデオを2倍速で見ようとする。
・友達はいっぱいできたかって、友達のいない親戚の大人に言われる。
・あいさつができない大人がたくさんいる。オレたちの方がちゃんとやってる。
・「人間は生涯勉強だぞ」と言って自分は勉強していない。
・親も読んだことのない文学集を、ためになるからって強制的に読まされる。
・感謝の心を持てと言いながら、おかーさんに「ありがとう」を言えないおとーさん。
・神様をお金で動かそうとする。
・年の初めに「今年こそはダイエット」って毎年言ってる。
・うちの親は白い服のときにいつも食べこぼす。
・カゼで体調が悪いのに決して病院にいこうとせず、自由をして家族にうつす。
「”子ども裁判所”を作ってそんな大人を一刀団結して一致両断するといいと思うよ」と南が発言すると、「それ、いいねー」とみんなで盛り上がったらしい。
「南のその発言に対して誰も何もいわなかったの?」と聞いたら、「みんな大賛成だったよ」と不思議そうな顔をして答える。
発想はかっこいいけど、よっぽど楽しい時間だったのか、熟語が混乱していますのでお勉強しましょうね。