今日は5kmのランを予定していた。
しかし、ガーミンのかける最初の曲に心を奪われてしまう。
走りだしと同時にMiles Davisの「Time After Time」がかかる。
Cyndi Lauperのカバー。
なんて優しいのだ。
私はMilesについて何も理解できていないのだが、Milesの中にこんなに澄んだ優しさが潜んでいたなんて。
しばし茫然とする。
走るのをやめて、ウォーキングに切り替えなければならないほどの衝撃。
芸術に接して、こんなに心を打たれたのはいつ以来だろう。
ゆっくりと歩きながら何度もリピートして聴いてみる。
***********************
マイルス・デイビス自叙伝の中で彼はこう豪語していた。
変化しかありえない。人生は変化であり、挑戦だ。人々がオレの所に来て「マイ・ファニー・バレンタイン」みたいな古い曲を演奏してくれと頼む気持ちは、よくわかる。だがオレは古いヤツが聴きたかったらレコードを聴いてくれと答える。
***********************
それなのに、「Time After Time」をこんなに優しく、情緒的に。
この曲のLiveがYouTubeにいくつか上がっているが、肉食動物が獲物を追うように疾走
していた昔のMilesとは全く異なり、まるで、深い森の中にいて植物に囲まれて浮遊しているような感じがする。
だからか、ゆるく走っていると、季節の中心へと静かに入っていく錯覚におちいる。
「風の谷のナウシカ」の王蟲も、「千と千尋の神隠し」のカオナシも、これを聴かせれば途端におとなしくなるなと思う。
プーチンにも聴かせてあげたい。
今日のランニングのおかげで、心穏やかになれる音楽が一つ増えた。
1.Time After Time / Miles Davis ('85)
今日はMilesにやられて終わり。
その後かかった曲はこの次に。
- You’re Going To Lose That Girl / The Beatles
- Get Out My Life Woman / Solomon Burke
- Lee Way / Lee Morgan
- Sparkle / 山下達郎
- 危険なふたり/ 沢田研二
- No One In The World / Anita Baker
- Blue Lagoon / 高中正義
- Baby Grand / Billy Joel & Ray Charles