ナイキの白い帽子をかぶって、ガーミンを左腕に巻き
ナイキのランニングシューズを履き
サングラスをかけ、JBLのイヤフォンを耳に装着する。
玄関を一歩出て走り出そうとするがすぐに踵を返す。
冬の間はレギンスに守られて私の足は安泰だった。
春になって虫たちが出てくると同時に私の膝から下もむき出しになる。
春になり走る前の工程が一つ増えたのだった。
保湿クリームを塗らなければならない。
どうしても塗らなければならないのだ。
私の足はまだ冬のようにカサカサだから。
☆ ☆ ☆
<Play List>
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Until You Come Back to Me / Aretha Franklin ('74)
- Knockin' On Heaven's Door / Randy Crawford
- Till The World Falls / Chic
- White Man / Macy Gray
- The Duffler / Fantastic Negrito
- You're Still A Young Man / Tower of Power
- People Get Ready / Curtis Mayfield
- Hit Or Miss / Charge
- Jump / サザンオールスターズ
- It’s All Over Now / Rolling Stones
1曲ご紹介。
この曲のドラムを叩いているBernard Purdieの演奏は多くのミュージシャンのアルバムで聴くことが出来る。
走りながら、そういえばTotoのJeff PorcaroがSteely Danのアルバム「Aja」に入っている「Home at Last」でのグルーブ感満載の彼の演奏に憧れていたことを思い出した。
さっそく帰宅して「Aja」を数年ぶりに引っ張り出してきて聴きながら、なかなか柔らかくならない股関節のストレッチを「やわらかくなぁ~れ~」と祈りながら入念に行う。
☆ ☆ ☆
♪Until You Come Back to Me / Aretha Franklin ('74)
Stevie Wonderの曲。どういうわけか彼のナンバーではチャートが上がらなかったがAretha FranklinのカバーでR&Bチャート1位。電話にも出ない彼をどうにかつなぎとめようと、どうかしたら間違った方向に走りそうにジタバタする彼女の、危うく悲しい気持ちをAretha は明るく歌っています。ユーミンならばパールのピアスを片方落として逆襲するか、ルージュの伝言を残して彼のママの元へと走るのですが……。このころのAretha Franklinはどこまでも伸びるチーズのように伸びやかできれいな声なので、余計に歌詞とはかけ離れて聞こえるのでしょう。彼女のアルバムは歌唱力と歌いっぷりの良さからくるのでしょうか、中森咲菜のWOWOWでのライブ同様、どれも聴き通すには体力が必要です。アルバムを一つ聴き終えると5㎞を走り終えたかのような、満足感と疲労感があります。
プロデュースはBee Geesを瀕死の状態から「Saturday Night Fever」で復活させたArif Mardin。バックはDonny Hathaway (key)。名うてのサイドマンChuck Rainy (bs)。そして、ブラックミュージックのプラットフォームでTotoのJeff Porcaroがあこがれたグルーブを叩き出すBernard Purdie (ds)。悪かろうはずがないのです。
Cyndi Lauperもカバーしています。
Chuck RainyとBernard Purdienの素晴らしい演奏が聴けます。